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  • 国民皆保険維持の行方にも関わる製薬会社

    Date: 2018.04.11 | Category: 製薬会社 | Response: 0

    国民皆保険維持に向けての製薬会社の取り組み

    近年ジェネリック医薬品への人々の認識度が急速に高まり、先発薬からの切り替えに抵抗感を抱いていた人も有効成分がまったく同じであるため効き目は変わらず安価に利用できるということで変更するケースが目立って来ています。

    先発薬の特許が切れて以降その薬を創り出した製薬会社とは別のメーカーが同じ有効成分を使って自社製品として製造販売するジェネリック医薬品は、創薬にかかった膨大な研究開発費や臨床試験などの費用も必要ないため先発薬よりも低価格にすることが実現しました。

    薬の種類によっては同じ有効成分を持つジェネリック医薬品を、多くの製薬会社が錠剤やカプセルの形を飲みやすく工夫したり、水無しで飲めるチュアブル錠にするなど自社製品としての特徴を出しながら製造販売しています。

    ジェネリック医薬品を製造販売するほうが安定的な収益になる

    島田製薬などの製薬会社にしても新薬を生み出すためにかかる長い年月と巨額の費用を考えた場合、ジェネリック医薬品を製造販売するほうが安定的な収益になるといった見方もされており、一時期さかんに礼賛されていた創薬イノベーションへの取り組みや考え方も大きく変化して来たと言われます。

    一部では、多くの慢性病への治療薬や対症療法の薬は出揃った感があり、今後開発が期待されている分野はがんや深刻な肝臓病などの画期的な治療薬ということで期待が大きい反面、実用化に至るまでに考えられるリスクも多大なものばかりが増えたという実情です。

    近年、理系各分野での研究者の海外流出が再び増加傾向にあると言われますが、既に日本の製薬会社においては医学の歴史を変えるような新薬を創り出せる体力を持つところは少なく、国家レベルで体制を見直さなければ現在進められている創薬事業に関してもスピードアップが望めるどころかブレーキがかかりかねない状況とまで言われます。

    これまで有効な治療方法や薬が無かった病気に対して劇的に効く新薬が登場した場合、賞賛が集まり世界中から歓迎されていましたが、現在ではそれと共に有効な新薬をいかに安価に患者に提供するかというテーマが重みを増しており、そのために必要となっている新薬を生み出し実用化するまでにかかるコストを下げることをどう実行して行くかが議論されています。

    その点に関しては日本の産業構造自体が実現を困難にしている面があり、創薬に掛ける費用と共に解決が非常に難しい問題として横たわっている状態です。

    米国では実現可能と見込まれた新薬開発に巨額の予算が投じられ、高額の報酬を約束されたことで国内外から優秀なスタッフが集まり特別なプロジェクトチームとしてスピーディーに研究開発を実現させて新薬を生み出すと言われます。

    目的達成後にはチームは解散し、また別なプロジェクトに関わるなど柔軟な体制で次々に画期的な新薬を世に送り出しているとされ、これまで研究開発から実用化までに掛けられていた長い年月をお金で買うといった考え方での短縮に成功しました。

    創薬の分野にかかわらず米国が新しいテクノロジーを生み出す現場で常にリードしている理由の一端がうかがえるだけに、会社組織の枠を超えた活動が難しい日本の現状と今後を考え、さらなる知恵や工夫が必要という気運が高まっています。

    有効性が高い新薬を、実用化当初から安価に利用できるようにすること

    これまで治療が困難だった疾病に対して有効性が高い新薬を実用化当初から安価に利用できるようにすることこそが、今後の創薬イノベーションのメインテーマとも言われ、ひいては国民皆保険の制度そのものを今後も健全な形で維持していくために必要という指摘もあります。

    ジェネリック医薬品の普及を国が推進しているのも医療費の抑制にあり、今後ますますデメリットが際立って来るとされる少子高齢化社会での国民皆保険制度の持続に向けての布石の一つとも言われます。

    高齢化の進行と共に医療コストが上がって来るのは自然な流れとも言えますが、医療の質は落とさずにコスト削減を実現するのが薬価を抑えることになるため、国としては創薬イノベーションよりもまずジェネリック医薬品のさらなる普及促進というほうが急務になるのは当然です。

    近年ジェネリック医薬品への切り替えが加速している高血圧治療薬

    近年ジェネリック医薬品への切り替えが加速しているのが高血圧治療薬の分野で、処方数を増やしていた先発薬のジェネリックが出たとたん全国の病院で切り替えが進むなど、普及はさらに加速しているとみられ製薬会社にとって新たな市場が次々に生まれている状態とも言えます。

    高血圧症治療薬や解熱鎮痛剤、目薬など健康で長生きする人が利用するタイプの薬は製薬会社にとっては長期間必ず利用してくれる顧客が多い分野ということになり、ジェネリックを製造販売する上で安定的な利益が見込めることになります。

    その反面、罹患する年齢や症状によっては長生きが難しくなるがんなどに有効となる新薬の開発や実用化が日本の産業構造の中では今後ますます困難さを増すことも考えられます。

    人の命や生活の質に大きくかかわって来る薬を製造販売する企業は、利潤追求のための会社組織の範疇を超えている面があり、そのことに対する今後の国の方針なども注視していく必要があります。

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